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F字孔は、ヴァイオリンの表板にあるFの文字に似たサウンドホールのことです。このページは私のメッセージやエッセイを書いてゆくページです。

ベートーヴェンVol.3のご案内

皆様、こんにちは。
10月に入り、中秋の名月です。このところ雨続きの毎日ですが、いかがお過ごしでしょうか。
私のライフワークのひとつの、ベートーヴェンヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会(全4回)が、昨年のVol.1,Vol.2に続き、Vol.3が来る10月12日(祝)午後2時から、御茶ノ水の、カザルスホールで開催されます。
これは、ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ全10曲と、2曲のロマンスの合計12曲を、4回の演奏会に分けて演奏するというシリーズです。

私はこれまで、たびたびこの12曲を個々に演奏会などで取り上げてきました。
今から20年ほど前の学生時代に、恩師の江藤俊哉先生のもとでこのソナタを全曲勉強した際、ベートーヴェン・ソナタの全曲演奏会をするように強く勧められたこと、そして、その後ロンドンで師事した恩師ノーバート・ブレイニン先生はベートーヴェンの系統を継ぐ生き字引のようなかたで、やはりこれらのソナタの真髄をあらゆる方向から教えてくださったことは、今日の私がこの全曲演奏会に取り組むきっかけとなりました。
こうして実現し、いつもご支援くださる皆様に感謝し、また第3回目を迎えられることはこの上ない喜びです。

ベートーヴェン自身が言った「自由と静寂は最大の財宝である」という言葉は、音楽だけでなく、人間ベートーヴェンの心情を理解する助けになるのではと思います。そしてこれは今日に生きる私たちの人生においても最も当てはまることであるといつも感じています。

今回のVol.3は、ソナタ第8番、ロマンスト長調、ロマンスヘ長調、ソナタ第10番、の4曲を作品番号順に演奏いたします。
共演のピアニストは藤井一興氏です。13年前に初めて共演させていただいて以来、何度かご一緒させていただいており、今回もとても楽しみにしております。

カザルスホールは来年閉館となり、カザルスホールでの演奏は最後となりますが、今回演奏する作品はこのホールの空間にも大変適していると思います。

秋たけなわの休日の午後、ベートーヴェンの世界をご堪能いただければ嬉しいです。
皆様お誘い合わせの上、是非ご来場くださいませ!

土田越子
(詳しくはベートーヴェンシリーズのページをご覧ください)